訪問看護ステーションの立ち上げって?開業に伴う準備とレギュレーションを徹底解説

    「病気や障害があっても、自宅で自分らしく暮らしたい」
    「家族に見守られながら、自宅から旅立つことが理想」

    訪問看護を利用するクライアントの想いは様々ですが、近年では核家族化の進行や在宅介護の充実も相まって、訪問看護の利用を希望するクライアントが増加傾向にあります。

    とはいえ、訪問看護は身内に利用しているクライアントがいないとなかなか接する機会が少ない仕事ということもあり「自分が看護師になって初めて、訪問看護という仕事を知った」「保健師資格は持っているけれど、訪問看護の仕事はよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

    そこで今回は、訪問看護という働き方が気になっている方や、将来的に訪問看護ステーションの立ち上げを目指してみたいという方に向けて、訪問看護ステーションを立ち上げる流れについて解説してまいります。

    訪問看護ステーションの立ち上げに必要な情報が得られるのはもちろんのこと、訪問看護ステーションがどういう場なのかについても理解できる内容になっていますので、訪問看護に興味のある方は必見です。

    目次

    訪問看護ステーションが立ち上がるまで

    現在訪問看護に携わっているあなたが在籍している訪問看護ステーションや、これから転職をしようと考えている訪問看護ステーションは、どのような経緯を経て立ち上がった事業所なのでしょうか。

    改めて訪問看護ステーション立ち上げの流れを確認していきましょう。

    訪問看護ステーションの立ち上げ①法人の設立

    訪問看護ステーションは、株式会社や有限会社、NPO法人などの法人格をもっている会社のみが経営することができます。

    そのためまず訪問看護ステーションを立ち上げたいと思ったら、法人を設立する必要があります。

    また法人の立ち上げ時には、地域の医療体制や介護との連携、福祉サービスの利用者数から見込まれる想定利用者数など、しっかりとマーケティングを行わなくてはいけません。

    マーケティングの結果は訪問看護ステーションの運営方針やコンセプトに落とし込み、基本的な運営指針として資金融資や認可の際に求められる書類として提出します。

    訪問看護ステーションの立ち上げ②都道府県または市区町村との協議

    訪問看護ステーションを開設するにあたっては、都道府県知事の指定もしくは政令指定都市・中核市の市長による指定のいずれかが必要です。

    そのため法人格の準備ができ、訪問看護ステーションの運営方針やコンセプトがまとまった段階で、市町村や都道府県に対して訪問看護ステーション開設の事前協議を申し入れます。

    訪問看護ステーションの立ち上げ③資金繰り

    訪問看護ステーションを運営していくためには、事業所を借りるための家賃やアテンダントの人件費、そのほか様々な施設準備費(車両費や事務用品)などで、巨額の資金が必要になってきます。

    特に訪問看護ステーションをオープンしたとしても、初月の利用料が介護保険や医療保険から事業所に支払われるまでは、3カ月の期間を要します。

    そのため訪問看護ステーションを立ち上げる際には、予め3カ月から5カ月程度の運転資金を手元に準備した状態で開業する必要があります。

    訪問看護ステーションの立ち上げ④人員の確保

    訪問看護ステーションの運営にあたっては、保健師・看護師・准看護師のいずれかを常勤換算法にて2.5名以上配置していることという基準が設定されています。

    また2.5名のうち1名は常勤の職員でなくてはならず、事業所の管理者として保健師もしくは看護師を1名配置しなくてはいけません。

    訪問看護ステーションの立ち上げ⑤事務手続き

    訪問看護ステーションの立ち上げにあたって大枠が整ったところで、細かい事務手続きが必要になってきます。

    賠償保険への加入やクライアントを集めるための営業活動、事業運営に必要なマニュアルや各種申請書類の作成などが整うと、いよいよ最終段階として以下の手続きを行います。

    • 介護保険法に基いた、都道府県知事または指定都市・中核市市長による居宅介護サービス事業者および介護予防サービス事業者としての指定申請
    • 都道府県に対して、介護報酬で定める届出事項(加算体制等)や、サービス計画策定・支給限度額管理上で必要となる事項について申請
    • 地方厚生局長に対して、健康保険法における届出事項(加算体制等)の届け出
    • 国と都道府県に対する業務管理体制整備の届け出

    訪問看護ステーションの指定申請から事業開始まで

    訪問看護ステーションの開業準備が整い、都道府県に指定申請を行ってから認可がおりるまでは、1カ月〜2カ月程度の日数が必要になります。

    この開業までの期間において事業所に勤務することが決まっているアテンダントは、医療機関や介護福祉施設への営業活動やマニュアルの確認、事業所の基本運営方針の確認などを行います。

    訪問看護ステーションの立ち上げは貴重な経験!法制度の確認をしておく絶好のチャンス

    訪問看護ステーションを立ち上げる際の流れについてご紹介いたしました。

    実際に訪問看護ステーションの立ち上げに主体的に関わる機会は、訪問看護ステーションで働くアテンダントとしてはなかなか機会に恵まれないかもしれませんが、立ち上げまでの流れを把握しておくことで、普段はなかなか学ぶ機会の少ない法律や社会保障制度に関する知識を学ぶことができ、訪問看護への理解を深めることができます。

    また訪問看護で一定の経験を積んだ保健師や看護師は、訪問看護ステーションの管理者として従事する資格を得ることができますので、将来的に自分が中心となって、訪問看護ステーションの立ち上げを行う可能性もあります。

    訪問看護ステーションに勤務するなかで立ち上げに関わることができる機会があれば、ぜひ積極的に様々なことを学んでみましょう。

    訪問看護ナーシングプラス土屋では日本各地に訪問看護ステーションを立ち上げ中

    訪問看護ナーシングプラス土屋では、日本全国を対象に新規の訪問看護ステーションを順次立ち上げています。

    これから訪問看護に携わってみたいとお考えの方や、訪問看護業界で中長期的なキャリアを形成していきたいという方を、各事業所で募集中です。

    訪問看護に興味のある方は是非一度、訪問看護ナーシングプラス土屋までお問い合わせください。

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