【訪問看護】医療保険と介護保険の違いは?適用条件や指示書も解説

    訪問看護を提供する際の保険制度は、医療保険と介護保険があります。

    今まで医療機関で働いていた看護師は「違いはなに?」と疑問に思うかもしれません。

    そこでこの記事では、訪問看護における医療保険と介護保険の違いと、どちらが適用になるのかを紹介します。

    あわせて、訪問看護をするために必須である、訪問看護指示書に関しても解説しています。

    これから訪問看護で働く人の参考になる内容となっていますので、最後までお読みください。

    目次

    訪問看護における医療保険と介護保険について

    まずは訪問看護における医療保険と介護保険について説明します。

    訪問看護でいう医療保険とは、政府や地方自治体が提供する公的な医療保険です。

    日本では、国民全員が医療保険に加入する政策をとっています。

    そのためケガや病気で病院を受診したとき、診察や治療、薬の処方にかかる料金は一部の自己負担(例えば3割)で済んでいます。

    一方、介護保険とは、満40歳になると必ず加入しなければならない保険です。

    高齢者を地域で支えるサービスとして、介護保険が始まりました。

    サービスが始まった背景には、少子高齢化によって高齢者の一人暮らしや、高齢者のみの世帯が増え、介護が必要な方への対応が困難となっていることが挙げられます。

    介護保険サービスを利用したときの自己負担額は、所得によって1〜3割と異なります。

    なお満40歳に達していない39歳以下の方は、介護保険が利用できません。

    訪問看護を利用するクライアントは、医療保険か介護保険のどちらかでサービスを受けます。

    訪問看護の医療保険と介護保険の適用条件

    医療保険と介護保険は、クライアントの年齢や疾患、体の状態によって、どちらが適用か決まります。

    各保険が適用となる条件を紹介します。

    医療保険が適用となる条件

    以下のいずれかに当てはまる場合、訪問看護は医療保険が適用です。

    • 40歳未満:医師が訪問看護の必要性を承認した方。
      要支援・要介護の認定を受けた方でも、厚生労働大臣の定める20疾病(末期がんや多発性硬化症、重症筋無力症など)に該当する場合は医療保険で訪問看護が利用できます
    • 40歳以上65歳未満:医師が訪問看護の必要性を認めた方で
      ①16特定疾患の対象ではない方
      ②16特定疾患の対象ではあっても、介護保険の要支援・要介護に該当しない方
    • 特例:介護保険の要支援・要介護の認定を受けた方で
      ①厚生労働大臣が定める疾病等
      ②特別訪問看護指示書の交付
      《併用の禁止》介護保険の訪問看護と医療保険の訪問看護を同時に利用することはできません。
    • 認知症以外の精神疾患:ただし、精神科訪問看護指示書が交付されている場合に限る。
    • 65歳以上:医師が訪問看護の必要性を認めた方で介護保険の要支援・要介護に該当しない方(介護保険を利用しない方も含む)

    厚生労働大臣が定めた病気

    • 末期の悪性腫瘍
    • 多発性硬化症
    • 重症筋無力症
    • スモン
    • 筋萎縮性側索硬化症
    • 脊髄小脳変性症
    • ハンチントン病
    • 進行性筋ジストロフィー症
    • パーキンソン病関連疾患
    • 多系統萎縮症
    • プリオン病
    • 亜急性硬化性全脳炎
    • ライソゾーム病
    • 副腎白質ジストロフィー
    • 脊髄性筋萎縮症
    • 球脊髄性筋萎縮症
    • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
    • 後天性免疫不全症候群
    • 頸髄損傷
    • 人工呼吸器を使用している状態

    参考)医療保険と介護保険の訪問看護対象者のイメージ 厚生労働省

    特別訪問看護指示書とは

    特別訪問看護指示書とは特指示ともいい、必要時に看護ステーションに対して交付する指示書です。

    主治医がクライアントを診療し、急性増悪等により一時的に頻回(週4日以上)の訪問看護を行う必要性を認めたときに交付されます。

    特別訪問看護指示書が交付されると、週4日以上、複数回の訪問が可能です。

    介護保険が適用となる条件

    以下のいずれかに当てはまる場合、訪問看護は介護保険が適用です。

    • 65歳以上:介護保険の要支援・要介護認定を受けた方
    • 0歳以上65歳未満:16特定疾病の対象者で、要支援・要介護の認定を受けた方。
    • ⦅利用不可⦆:40歳未満の介護保険での訪問看護

    要介護認定を受けるには

    要介護認定を受けるには、介護サービスを受けるご本人、またはご家族が市区町村の区役所へ行き申請をします。

    申請後は訪問調査員が自宅へ来て、ご本人の状態を確認し、ご家族からも生活の様子を伺います。加えて主治医の意見書が必要です。

    審査を経て、要支援1・2、要介護1〜5の介護認定がおります。

    要支援1が支援が必要ながら最も自立した状態で、要介護5になるほど介護が必要な状態です。

    支援が必要ない場合は、支援なしと認定されます。

    要介護認定がおりるまでの期間

    要介護認定を申請してから認定がおりるまで、約1ヶ月かかります。

    しかし認定がおりるまでの間、介護サービスを必要とするクライアントが利用できないと困るケースがあります。

    その場合「みなし認定」として、介護サービスを使えることがあります。

    介護保険で訪問看護を提供する際は、ケアマネージャーによるケアプランが必須です。

    みなし認定による訪問看護の利用も、ケアマネージャー主導のもとケアプランが作成されます。

    民間の医療保険は訪問看護で使える?

    民間の医療保険が訪問看護で使えるかは、提供している民間企業のサービス内容によって異なります。

    民間の医療保険は、公的な医療保険や介護保険のように義務ではなく、任意での加入ですので条件はさまざまです。

    クライアントに加入している民間の医療保険が訪問看護で使えるか聞かれた場合は、保障内容をクライアントやご家族に確認していただきましょう。

    訪問看護は訪問看護指示書が必須

    訪問看護は医療保険と介護保険、どちらも医師による訪問看護指示書が必須です。

    医師がクライアントに訪問看護が必要と判断した場合に発行されます。

    有効期間は、訪問看護指示書が発行されてから最長6ヶ月です。主治医がクライアントの状態をみながら、6ヶ月以内で有効期間を設定します。

    一般的に使われる訪問看護指示書には、以下の項目が記載されています。

    • 個人情報
    • 傷病名
    • 現在の状況
    • 留意事項および指示事項
    • 緊急時の連絡先
    • 不在時の対処法
    • 特記すべき留意事項
    • 主治医の所属、サイン

    訪問看護師は指示書にのっとって看護を提供します。

    その他の指示書

    訪問看護指示書以外に、クライアントの疾病や状態によって以下の指示書が発行されるケースがあります。

    • 特別訪問看護指示書
    • 在宅患者訪問点滴注射指示書
    • 精神訪問看護指示書

    特別訪問看護指示書は、クライアントの急性増悪等により一時的に頻回(週4日以上)の訪問看護を行う必要性を認めたときに交付されます。有効期間は14日間です。

    在宅患者訪問点滴注射指示書は、クライアントへ週3日以上の点滴が必要となった場合に交付されます。有効期間は7日間です。

    在宅患者訪問点滴注射指示書は、訪問看護指示書と併せて2枚の交付が必要です。

    精神訪問看護指示書は、クライアントの精神科の主治医が訪問の必要性を認めたときに交付されます。有効期間は最長6ヶ月です。

    訪問看護は医療保険・介護保険のどちらかが適用

    訪問看護はクライアントの年齢や疾患、体の状態によって医療保険か介護保険、どちらが適用か異なります。

    どちらが適用になるかはこの記事で理解いただけたと思いますので、現場でお役立てください。

    訪問看護は医療機関よりも保険制度が複雑であり、事務は多く在籍していませんので、自身で保険制度を学ぶことが必要です。

    しかし、不慣れでわからないことが多く、現場で働くと困るケースがあります。

    訪問看護ナーシングプラス土屋では、困ったときはいつでも相談できる環境を整えています。初めて訪問看護で働く人でも安心して働けますので、訪問看護に興味のある人は、ぜひご相談ください。

    訪問看護はクライアント一人ひとりと向き合うことができ、個別性の高い看護ができる魅力とやりがいがあります。

    訪問看護ナーシングプラス土屋で、地域で暮らすクライアントをサポートしませんか?

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