訪問看護の働き方。どんなクライアントがいるの?医療保険や疾患の詳細を解説します

    訪問看護は、近年特に需要が高まりつつあるサービスです。

    自宅で自分らしく生活することを望んでいながらも、要介護状態や持病などといった理由から看護のサポートが必要なクライアントに対して看護サービスを提供する訪問看護ですが、具体的にどのような疾患や持病に悩むクライアントが多く利用しているのでしょうか。

    また訪問看護の利用にあたって医療保険もしくは介護保険の適用が認められたクライアントとは、実際にどのような方々なのでしょうか。

    今回は、訪問看護という働き方が気になっている方や、訪問看護への転職に興味はあるものの訪問看護について何も知らないという方に向けて、訪問看護を利用しているクライアントについてご紹介していきます。

    なお株式会社土屋グループでは、日本各地で展開中の訪問看護ナーシングプラス土屋において、地域の方々に質の高い訪問看護を提供しています。

    この記事を読んで訪問看護への転職に一歩踏み出したいと思った方は、お気軽に訪問看護ナーシングプラス土屋までお問い合わせください。

    目次

    訪問看護を利用するための条件

    訪問看護を利用することができるクライアントは、自宅で生活を送っている方、そして医師によって訪問看護指示書が発行されたクライアントに限ります。

    訪問看護師は、この医師が発行した訪問看護指示書に記された指示期間・主たる傷病名・現在の状態および状況・留意事項および指示事項などに基いて、看護サービスを提供することになります。

    なお訪問看護指示書の有効期限は1カ月から6カ月となっていますので、訪問看護の提供から半年が経過した場合は、再度医師による状況確認と訪問看護指示書の再発行が必要になってきます。

    訪問看護を利用するための保険制度

    訪問看護を利用するクライアントは、医療保険もしくは介護保険の被保険者に該当します。

    訪問看護を利用するにあたって適用となる保険制度の基本的な区分は、年齢や疾患・疾病の状態によって以下の通り区分されています。

    • 0歳~39歳……医療保険
    • 40歳~64歳、かつ16特定疾病の該当者、かつ要介護認定の該当者……介護保険
    • 40歳~64歳、かつ16特定疾病の該当者、かつ要介護認定の非該当者……医療保険
    • 40歳~64歳、かつ16 特定疾病以外の疾病罹患者……医療保険
    • 65歳以上、かつ要介護認定の該当者……介護保険
    • 65歳以上、かつ要介護認定の非該当者……医療保険

    16特定疾病

    ここで登場する16特定疾病は、以下の通りです。

    1. 末期の悪性腫瘍(がん)
    2. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    3. パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病)
    4. 脊髄小脳変性症
    5. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレガー症候群)
    6. 関節リウマチ
    7. 後縦靱帯骨化症(OPLL)
    8. 骨折を伴う骨粗鬆症
    9. 初老期における認知症(アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体病等)
    10. 脊柱管狭窄症
    11. 早老症(ウェルナー症候群等)
    12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
    13. 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
    14. 閉塞性動脈硬化症
    15. 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎)
    16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変化を伴う変形性関節症

    この16特定疾病のうち、1番〜5番までの疾病は厚生労働大臣が定める疾病等に該当し、週4日以上の訪問看護利用が認められています。

    16特定疾病以外の疾病や疾患

    医療保険を利用することのできる16特定疾病以外の疾病や疾患は、厚生労働大臣によって以下のように定められています。

    1. 多発性硬化症
    2. 重症筋無力症
    3. 筋萎縮性側索硬化症
    4. 脊髄小脳変性症
    5. ハンチントン病
    6. パーキンソン病関連疾患(進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病:重症度 3 以上・生活機能障害度 2 以上)
    7. 多系統委縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳委縮症、シャイ・ドレガー症候群
    8. プリオン病
    9. 亜急性硬化性全脳炎
    10. ライソゾーム病
    11. 副腎白質ジストロフィー
    12. 脊髄性筋萎縮症
    13. 球脊髄性筋萎縮症
    14. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
    15. スモン
    16. 末期の悪性腫瘍
    17. 進行性筋ジストロフィー症
    18. AIDS(後天性免疫不全症候群)
    19. 頸椎損傷
    20. 人工呼吸器を使用している状態

    このうち1番〜14番までの疾患は、指定難病に該当します。

    訪問看護の利用可能日数

    実際に訪問看護の利用が認められたクライアントは、どの程度の日数まで訪問看護を利用することができるのでしょうか。

    医療保険を適用する場合

    医療保険を適用して訪問看護を利用する場合は基本的に1日1回、週3回が訪問回数の上限です。

    ただし前項でご紹介した「16特定疾病以外の疾病や疾患」に該当するクライアントや、特別訪問指示書が発行されているクライアントに関しては、1日1回以上、週3回以上の訪問回数が認められます。

    16疾病に罹患している場合

    先ほどご紹介した通り、16特定疾病のうち、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する5つの疾病に罹患している場合は、週4日以上の訪問看護利用が認められています。

    介護保険を利用する場合

    介護保険を利用する場合は、訪問看護の利用回数や頻度の上限が明確に定められてはいません。

    ただし介護度ごとに介護保険の適用上限単位が決まっていますので、他の介護サービスも含めて支給上限以上のサービスを利用した場合は、自費での清算となります。

    また介護保険を適用する場合は、同一サービスの提供に関して2時間以上の間隔を空けないといけないという、通称2時間ルールが存在します。

    利用間隔に関しては、サービス利用計画の作成時に注意が必要です。

    訪問看護を利用するクライアントの背景は様々。安心と安全な訪問看護の提供に尽力を

    訪問看護に従事する上で把握しておきたい、訪問看護の利用対象となるクライアントの具体例についてご紹介いたしました。

    訪問看護は、医療保険もしくは介護保険を適用することによって利用可能になるサービスです。

    どちらの保険に該当するのかや、疾病・疾患の種類によっては利用上限、利用に関する注意事項などがあります。

    訪問看護への転職時に全てのルールを覚える必要は全くありませんが、少しずつ現場でクライアントと触れ合いながら学び、理解していきましょう。

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