訪問看護では、基本的にアテンダントが1人でクライアントの居宅を訪問し、療養生活のお手伝いを行います。
先輩との同行研修を終えた後からの独り立ちは、時々不安に感じてしまうこともありますよね。
今回の記事では、改めて確認しておきたい訪問看護の業務内容についてご説明してまいります。
1人で訪問看護を提供するなかで業務内容には該当しないサービスを要求された時の対策についてもご紹介していきますので、参考になさってください。
また現在、日本各地で訪問看護事業所を展開している訪問看護ナーシングプラス土屋では、一緒に働く仲間を募集しております。
充実の研修制度や、安心して訪問看護のアテンダントとして働くことのできる環境をお探しの方は、お気軽に訪問看護ナーシングプラス土屋にご連絡ください。
訪問看護の存在意義
訪問看護は、なんらかの理由で療養生活を送る必要のあるクライアントが、自宅であっても必要な医療的サポートを受けられるようにお手伝いをいたします。
クライアントが訪問看護を必要としている理由は、年齢を重ねたことや認知症の発症に伴う身体機能の低下、ALSや筋ジストロフィーなど指定難病の罹患に伴う行動障害や肢体不自由、ケガによる行動制限など様々ですが、医師の診断により「訪問看護が必要」との指示書が発行されると、訪問看護を利用可能になります。
そのため大前提として、訪問看護は医師の指示書に基づいて提供されるサービスであることを常に意識しておきましょう。
訪問看護の業務内容
訪問看護は医師の指示書を基にして、サービスの提供内容や提供頻度が決定されます。
訪問看護を提供することができる医療資格保持者(看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)は、医師の指示書に基づいて以下のような業務内容に従事します。
訪問看護の業務内容①健康状態の確認
訪問看護のアテンダントとしてクライアントの居宅を訪問したら、まずは健康状態の確認を行いましょう。
バイタルチェックを行って身体に感じている異変の有無を伺ったり、顔色や受け答えの様子をよく確認したりして、他のアテンダントや医師に報告が必要と思われる所見等がないかを確認しましょう。
訪問看護の業務内容②療養生活のサポート
訪問看護の業務内容のなかでも根幹となっているのが、それぞれのアテンダントが自身の資格を活かして行う、クライアントの療養生活のサポートです。
例えば嚥下障害に悩むクライアントに対して言語聴覚士が口腔体操の指導を行ったり、ALSで身体を動かしづらく感じているクライアントに対して理学療法士がリハビリを提供したりするのが、訪問看護の業務内容です。
看護師・准看護師の業務内容
特に看護師や准看護師は求められる業務の内容が、非常に多岐にわたります。
食事や入浴・排泄といった身体介護から、人工呼吸器や経管栄養・点滴・注射の管理、また喀痰吸引や床ずれの処置などが代表的な業務内容です。
特に医療的ケアに関わる部分は非常にニーズが高く、クライアントの療養生活をサポートするためには欠かすことのできないサービスと言えます。
また訪問看護では、終末期のクライアントに対するターミナルケアの提供も行っており、クライアントの旅立ちをサポートしたり、最期の時に必要な処置を緊急的に行うことも、看護師や准看護師には求められます。
延命治療や心身機能の改善を目的としたサービスの提供ではなく、痛みの緩和や精神面でのケアを行う必要があり、それらは訪問看護ならではのサービスといえます。
クライアントによって必要なサービスの内容は異なりますので、幅広い業務内容に対応する力が大切になってきます。
訪問看護の業務内容③各所との連携
訪問看護のなかで得たクライアントの状況や変化は、事業所で共に訪問看護を行っているアテンダントやサービス提供責任者と共有するためにサービス提供記録という形でレコーディングしていくことも、業務内容の一つです。
場合によっては訪問介護事業所などクライアントが他に利用しているサービスの関係者や、ケアマネージャー、主治医などと連携を図りながら、クライアントの療養生活をサポートしていきます。
家族との連携
特にクライアントと同居する家族に対しては、積極的に声をかけて相談を受け付けたり、反対に在宅介護における相談を受けてアドバイスを行ったりすることもあります。
クライアント本人はもちろんのこと、家族とも積極的にコミュニケーションを取ることが、訪問看護の業務内容としては求められます。
訪問看護で業務内容以外のことを要望されたら
訪問看護では、提供することができないサービスがいくつかあります。
その代表的な例としては、買い物や調理・掃除などに代表される家事の代行です。
訪問看護と名称が酷似している訪問介護においては家事援助が業務内容に含まれているため混同されやすいのですが、訪問看護はあくまで医学的な指示に基づく療養上の世話を行う仕組みとなっています。
家事に関する依頼を受けた場合はきっぱりと断り、何度も要望される場合は訪問看護ステーションでサービス提供責任者に相談を行いましょう。
また訪問看護は、自宅での療養生活をサポートするために整備された制度です。
そのため訪問看護は、クライアントの自宅以外でサービスを提供することはできず、病院への通院付き添いや受診の同行を行うことはできません。
こちらも万が一要求された場合は、毅然とした態度で断りましょう。
医師の指示に基づく訪問看護の業務内容。クライアントの療養生活をサポートするために
訪問看護の業務内容について簡単にご説明いたしました。
訪問看護は一人ひとりのクライアントによって異なる療養生活の困りごとをサポートするための仕組みです。
どのような内容のサービスを提供する必要があるのかについては医師の指示に基づいて決められていますので、アテンダント自らの専門知識を活かして、クライアントの自立した自宅生活を支えていきましょう。
訪問看護の業務内容は多岐にわたりますが、自身の業務範囲をしっかりと意識しておくことで、訪問看護の業務内容外のサービス提供を強要された際にもきちんと対応ができるようになりますので、事前に確認しておくことをおすすめいたします。