訪問看護は高齢や認知症、そして病気やケガを理由として、自宅で療養生活を送るクライアントに対してサポートを行うサービスです。
看護師や准看護師をはじめ、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの医療資格保持者が、アテンダントとして勤務することができます。
厚生労働省が2017年に発表した資料では、2012年から2016年にかけて訪問看護事業所の数が1.4倍に、訪問看護を利用するクライアントの数も1.4倍程度伸びていることが確認されており、今後もニーズの高まりが予測されています。
これからのキャリア形成にもおすすめの訪問看護ではありますが、訪問看護で働くと給料が下がるということはあるのでしょうか。
今回は訪問看護の給料を中心に、訪問看護という働き方についてご説明していきます。
訪問看護という働き方
訪問看護は、それぞれのアテンダントが有する医療資格を活かして、自宅で療養生活を送っているクライアントに対して医療的ケアを提供するサービスです。
看護師をはじめ、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士などが療養上必要な身体介護・医療デバイスの管理・機能訓練の提供といった医療的ケアを、医師の指示書に基づいて提供します。
クライアントは医療保険もしくは介護保険を適用することによって、自己負担を抑えながら自宅での自立した療養生活を継続することができます。
訪問看護をクライアントの居宅以外の場所で提供することは認められていませんので、アテンダントは車もしくは徒歩や自転車で1日あたり3〜5軒程度のクライアント宅を訪問し、サービスを提供します。
多くの訪問看護ステーションでは、医師の指示やケアプランに基づいて平日の日中に訪問看護サービスを提供しています。
基本的にはスケジュール通りに看護サービスの提供を行いますので、残業が発生しにくく、夜勤もほとんどありません。
残業が少ない訪問看護
訪問看護ではスケジュール通りの時間に、ケアプラン通りの内容で看護サービスを提供します。
そのため緊急事態(容態の急変や不慮のケガ)などが発生しない限り残業はほとんどなく、ワークライフバランスを考えてプライベートも充実させたい方に人気の勤務スタイルです。
また訪問看護事業所によっては時短勤務やパートタイム勤務も積極的に募集していますので、子育て中の方や体力に不安のある方でも勤務しやすい職場といえます。
オンコールは担当制
ただし早朝や夜間、または休日であっても「オンコール」という当番が回って来る可能性があります。
オンコールの当番日は専用の通信機器を自宅に持ち帰り、日中以外の時間でクライアントや家族から入電した場合は緊急相談に応じたり、必要な場合はクライアント宅まで駆けつけたりする必要があります。
多くの事業所では週に1回程度オンコールの当番が回ってくることが一般的ですので、オンコールの存在については心に留めておきましょう。
訪問看護の給料
次に「訪問看護という働き方は気になっているが、給料が心配」「訪問看護事業だと給料が下がるよ、と言われた」と不安に感じている方に向けて、訪問看護の給料を簡単にご紹介させていただきます。
訪問看護の給料
日本看護協会の資料によると、2021年度において訪問看護ステーションに勤務するフルタイム職員の平均給与総支給額は、1カ月あたり367,775円と発表されています。
同じ資料において、正規フルタイム病棟看護師の平均給与総支給額は、1カ月あたり386,046円と発表されています。
つまり訪問看護で働くアテンダントの給料は、病棟看護師よりも額面上は18,000円ほど下がるということになります。
ただし訪問看護アテンダントの場合はオンコール対応手当分が、病棟看護師の場合は夜勤手当分が平均給与総支給額に含まれていることを鑑みると、単純に「訪問看護は給料が下がる」と判断することはできません。
夜勤がなくとも十分に稼ぐことができるのが、訪問看護だと言えます。
パートタイム・時短勤務の場合
日本看護協会が2014年に調査した内容によると、フルタイム勤務正社員・短時間職員正社員・パートタイム(その他の職員)の平均給与は以下の通りです。
- フルタイム勤務正社員……平均基本給額270,716円+平均諸手当額67,226円=337,942円
- 短時間勤務正職員……平均基本給額200,135円+平均所手当額29,680円=229,814円
- その他の職員(アルバイト・契約職員・臨時職員・嘱託職員など)……1時間当たりの平均単価は 1,641 円
平均的な手取り額を計算するなかで重要なポイントになってくるのが先ほどご紹介したオンコールです。
オンコールに関する手当は事業所によって異なりますが、自宅待機オンコール対応の場合は1,000円〜2,000円程度、オンコールを受けて緊急訪問が必要になった場合の緊急訪問手当は5,000円程度もしくは時給換算が一般的です。
事業所の規約にもよりますが短時間勤務正社員やその他の職員がオンコール担当から外れていると考えると、フルタイム勤務正社員の平均諸手当額の高さにつながってきているといえそうです。
「訪問看護の給料が下がる」は間違い。自分にあった働き方を
訪問看護での働き方と、給料についてご紹介させていただきました。
特に訪問看護は、プライベートの時間も充実させたい方や子育て中の方であっても働きやすい職場となっています。
夜勤がないので額面では給料が下がったように見えてしまいがちですが、夜勤がないオンコール対応だけでもしっかりと給料が支給されているといえます。
また訪問看護ナーシングプラス土屋を含む株式会社土屋グループでは、介護のリーディングカンパニーとして業界でも特に高い水準での給与支給に力を入れています。
もちろん給料面だけではなく、福利厚生や働きやすさなども含めて社内環境を整備していますので、「子育て中だけど看護師資格を活かして働きたい」「プライベートの時間を確保しながら医療的ケアの提供に携わりたい」という方は、是非お気軽に訪問看護ナーシングプラス土屋までご相談ください。